第2回コラム 自筆証書遺言との違いとは?
― 失敗しない遺言の選び方 ―
(行政書士法人檀上事務所)
「遺言を書くなら、自分で書けばいいのでは?」
公正証書遺言のご相談を受けると、
必ずと言っていいほど出てくる疑問です。
確かに、日本には
自筆証書遺言 という制度があります。
しかし、相続の現場では“書いたのに使えなかった遺言”が非常に多いのも事実です。
■ 自筆証書遺言とは?
自筆証書遺言は、
本人が全文を自書し、日付と署名・押印をする遺言です。
✔ 思い立ったときに作れる
✔ 費用がほとんどかからない
というメリットがある一方で、
致命的な落とし穴も存在します。
■ よくある「無効・トラブル」事例
実務でよく目にするのは、次のようなケースです。
- 日付が「〇年〇月」だけで日が書かれていない
- パソコンで作成してしまった
- 財産の書き方が曖昧
- 相続人の特定が不十分
- 遺言書が見つからない・隠される
- 家庭裁判所の検認で争いになる
結果として、
「遺言があるのに、結局遺産分割協議をやり直す」
という事態も少なくありません。
■ 公正証書遺言との決定的な違い
では、公正証書遺言は何が違うのでしょうか。
| 比較項目 | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 |
|---|---|---|
| 作成方法 | 本人が自書 | 公証人が作成 |
| 形式不備 | 無効の可能性あり | 原則なし |
| 原本保管 | 自己管理 | 公証役場で保管 |
| 検認手続 | 必要 | 不要 |
| 偽造・改ざん | リスクあり | ほぼなし |
「確実に遺す」ことを重視するなら、公正証書遺言一択
というのが、相続実務の現場での結論です。
■ 高齢・施設入所中でも問題ありません
「もう字が書けない」
「施設に入っている」
そのような状況でも、
会話ができ、意思確認ができれば、公正証書遺言は作成可能です。
- 出張による作成
- 署名ができない場合の代理署名
- 証人の手配
これらはすべて制度として認められています。
■ 行政書士が関与する意味
公正証書遺言は、
「公証役場に行けば勝手に出来上がる」ものではありません。
✔ 誰を相続人にするのか
✔ 財産をどう分けるのか
✔ トラブルになりやすい点はどこか
これを事前に整理し、言葉に落とし込む作業が不可欠です。
行政書士法人檀上事務所では、
単なる書類作成ではなく、
「相続が始まったとき、本当に困らない遺言」
をゴールに、遺言内容の設計段階から関与しています。
■ 次回予告
次回は、
「施設・病院でも作れる?出張による公正証書遺言の実際」
について、具体的な流れを解説します。
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