【第1回】そもそも一般貨物自動車運送事業とは?〜“緑ナンバー”の意味とその責任〜
こんにちは。行政書士法人檀上事務所です。
今回から、トラック運送業に関わる事業者様やこれから開業を目指す方に向けて、「一般貨物自動車運送事業」のリアルな現場と法的ポイントをテーマにした連載ブログをスタートします。
第1回は「そもそも一般貨物自動車運送事業とは何か?」という基本に立ち返って、緑ナンバーの意味・白ナンバーとの違い・法人化との関係性など、運送業のスタート地点を押さえていきましょう。
一般貨物自動車運送事業とは?〜「荷主から料金をもらって運ぶ」というビジネス
一般貨物自動車運送事業とは、他人から依頼を受けて有償で貨物を運送する事業を指します。
道路運送法に基づき、国(地方運輸局)からの許可が必要です。
- 主な例:
- 荷主企業から荷物を預かってトラックで配送
- ECサイトの倉庫と顧客の自宅をつなぐ委託配送
- 工事資材・精密機器・冷凍食品などの専門輸送
この「有償性」がポイントで、自社の荷物を自社の車で運ぶ「自家用運送(白ナンバー)」とは区別されます。
緑ナンバーとは「事業者としての責任の証」
許可を取得すると、トラックには緑色のナンバープレートが交付されます。これはただの色違いではありません。
- 運転手の労働時間・休息時間の厳格な管理
- アルコールチェックや点呼の記録義務
- 事故・違反時の報告義務と監査対象
つまり、「緑ナンバー=国に認められたプロの運送業者」として、公共性・社会的責任が求められる立場になります。
白ナンバーとどう違う?副業運送は違法?
白ナンバー車両を使って「副業で有償配送」を行うのは原則違法行為(いわゆる“白バイ”)となります。たとえば:
- メルカリやネットショップの配送を有償で引き受ける
- UberEatsのような軽貨物配送を普通車で行う
- 地元企業の配達を「お小遣い稼ぎ」で行う
これらは道路運送法違反になる可能性が高く、無許可営業・名義貸しでの摘発も全国で増えています。
法人での申請が基本〜個人事業での限界とは?
運送業の許可申請は、法人での取得が推奨される分野です。その理由は:
- 社会保険加入などのコンプライアンス体制構築がしやすい
- トラックの保有台数や人員管理を拡大しやすい
- 銀行融資や補助金申請での信用性が高い
個人事業での申請も可能ですが、後から法人化すると手続きが煩雑になります。
初めから株式会社や合同会社としてスタートするのが賢明です。
行政書士からのコメント:始める前に“戦略的構想”を
私たち行政書士法人檀上事務所では、許可取得のサポートだけでなく、事業計画書・資金計画・運行管理体制の構築まで含めた“スタートアップ伴走支援”を行っています。
- 地方運輸局との事前相談
- 営業所・車庫・車両の要件確認
- 融資・補助金活用の組み合わせ
運送業は、トラックと人を動かす「物流インフラ」として極めて重要な事業です。
その一歩目を、ぜひ正しく、そして力強く踏み出していただきたいと思います。
👉次回予告:【第2回】許可取得の5大要件を徹底解説!
– 資金・車両・人・場所・法令試験、どれが難関?実務の裏側を解説します。