【第4回】介護タクシー許可後に必要な届出・運行管理・運賃設定 ― 「許可を取ったあと」に本当の実務が始まる ―

【第4回】介護タクシー許可後に必要な届出・運行管理・運賃設定

「許可を取ったあと」に本当の実務が始まる


はじめに:

介護タクシーは「許可を取って終わり」ではありません

介護タクシー(福祉輸送事業限定)の許可を取得すると、
多くの方がこう思われます。

「これで、もう走らせていいんですよね?」

実は、答えはNOです。

介護タクシー事業は、
許可取得後からが本当のスタートであり、
この段階での手続きを誤ると、
・無届運行
・行政指導
・最悪の場合は許可取消
といった重大なリスクにつながります。

第4回では、
許可後に必ず必要となる手続き・体制整備・運営ルールを、
行政書士の実務視点で解説します。


1️⃣ 許可後すぐに必要な「運輸開始前後の届出」

(1)運輸開始届は必須

許可を受けただけでは、
まだ「営業開始」できません。

実際に運行を開始するには、
運輸開始届を地方運輸局へ提出する必要があります。

運輸開始届のポイント

  • 許可書に記載された内容と完全一致しているか
  • 車両・運転者・営業所が確定しているか
  • 開始日が現実的か(許可翌日などは不可の場合あり)

行政書士法人では、
許可内容 → 現場体制 → 届出内容
がズレていないかを必ずチェックします。


(2)事業用自動車としての登録・表示

介護タクシーは、
**事業用自動車(緑ナンバー)**としての扱いになります。

そのため、

  • 車検証の用途・使用者
  • 事業用表示
  • 車内掲示物

がすべて整っていなければなりません。

よくあるミス

  • 車検証は個人名義のまま
  • 車内掲示物が不足
  • 運賃表を掲示していない

これらはすべて、
立入検査で即指摘される項目です。


2️⃣ 運賃・料金設定は「自由」ではない

介護タクシーの運賃について、
よくある誤解があります。

「介護タクシーは自費だから、自由に決められる」

これは 誤り です。


(1)運賃は「届出制」

介護タクシーの運賃・料金は、
地方運輸局への届出制となっています。

  • 距離制
  • 時間制
  • 初乗り運賃
  • 迎車料金
  • 介助料金(※条件あり)

これらを 事前に届出 し、
届出どおりに運用する義務があります。


(2)介助料・付添料の注意点

介護タクシーでは、

  • 車いす介助
  • 階段介助
  • 病院内付添

などが発生します。

しかし、
すべてを「運賃」として請求できるわけではありません。

実務上の注意点

  • 運賃と介助料を明確に区分
  • 利用者に事前説明があるか
  • 運賃規程・料金表と一致しているか

行政書士法人では、
運賃規程そのものの作成・整理までサポートします。


3️⃣ 運行管理体制は“簡易”でも必須

介護タクシーは台数が少なくても、
運行管理体制の整備は必須です。


(1)運行管理者は必要?

一般タクシーほど厳格ではありませんが、

  • 運行の指示
  • 点呼
  • 事故対応
  • 健康状態の確認

を行う 管理責任者 を定める必要があります。

多くの場合、

  • 代表者本人
  • 管理者兼務

という形で足りますが、
「誰が」「何を管理するか」を明文化しておく必要があります。


(2)点呼・記録の実務

次のような帳票整備が必要になります。

  • 乗務前・乗務後点呼記録
  • 運行記録簿
  • 車両点検記録
  • 事故・苦情対応記録

これらは、
事故発生時・行政調査時に必ず確認される書類です。

行政書士法人では、
👉 ひな型の整備
👉 実際に使えるレベルへの調整
まで支援します。


4️⃣ 事故・トラブルが起きたときの対応義務

介護タクシーは、
事故対応に非常に厳しい目が向けられる事業です。

(1)事故報告義務

  • 人身事故
  • 物損事故
  • 利用者転倒

これらが発生した場合、
一定の基準で運輸局への報告義務が生じます。

「軽微だから報告しない」は、
後から重大な違反になるリスクがあります。


(2)苦情・トラブル対応

  • 料金トラブル
  • 介助内容への不満
  • 対応態度

これらについても、
記録・再発防止策が求められます。

行政書士法人が関与する場合、
「どう記録し、どう説明するか」
まで含めて助言します。


5️⃣ 立入検査・行政指導は突然来る

介護タクシー事業者は、
予告なしの立入検査を受けることがあります。

主なチェック項目は:

  • 車両の表示
  • 運賃掲示
  • 点呼・記録
  • 許可内容と実態の一致

ここで
「知らなかった」「やっていなかった」
は通用しません。


6️⃣ 行政書士法人が「許可後支援」を重視する理由

実務上、トラブルが多いのは、

  • 自己流運営
  • 許可後フォローがない
  • 制度理解が浅い

というケースです。

行政書士法人が関与することで、

  • 許可後の届出漏れ防止
  • 運賃トラブル回避
  • 行政指導への備え

が可能になります。

介護タクシーは「法令順守」がそのまま信用になる事業です。


次回予告(第5回)

次回はいよいよ応用編です。

【第5回】

介護タクシー × 障害福祉・訪問介護・移動支援の併用モデル

  • 居宅介護・重度訪問介護との関係
  • 自費・保険外サービスの組み立て方
  • 行政書士が設計する“複合型福祉事業”

を解説します。


まとめ

介護タクシー事業において重要なのは、

「許可後に、正しく運営できているか」

行政書士法人は、
許可取得から運営安定までを一体で支援する専門家です。


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