【第5回】介護タクシー×障害福祉・訪問介護・移動支援 ― 行政書士が設計する「複合型福祉モビリティ事業」という考え方 ―

【第5回】介護タクシー×障害福祉・訪問介護・移動支援

行政書士が設計する「複合型福祉モビリティ事業」という考え方


はじめに:

介護タクシー単体では、実は「不安定」な事業です

介護タクシーの許可を取り、
車両・運転者・運行体制を整え、
いよいよ事業がスタートしたあと──
多くの事業者が、次の壁にぶつかります。

・思ったより稼働が安定しない
・利用が平日に偏る
・天候・病院都合でキャンセルが多い

これは、介護タクシーという事業構造そのものの特徴です。

そこで重要になるのが、
👉 「介護タクシーを“単体”で考えない」
👉 他の福祉制度・サービスと“組み合わせて設計する」
という発想です。

第5回では、行政書士が実務で設計している
複合型モデル・併用モデルを体系的に解説します。


1️⃣ 介護タクシーと「障害福祉サービス」は別制度

まず大前提として整理しておくべきことがあります。

項目 介護タクシー 障害福祉サービス
根拠法 道路運送法 障害者総合支援法
所管 国土交通省 厚生労働省・自治体
対価 原則自費 原則公費(給付)
許認可 運輸局許可 市町村指定

つまり、
まったく別の制度・別の許認可です。

だからこそ、
👉 正しく設計すれば「併用」が可能
👉 間違えると「違法」になる
という非常に重要なポイントでもあります。


2️⃣ よくある誤解:「送迎=介護タクシーでOK?」

現場でよく聞く誤解があります。

「居宅介護の利用者を、介護タクシーで送迎すればいいですよね?」

これは 危険な考え方です。

なぜなら…

  • 障害福祉の「移動支援」は
    👉 介助行為そのものが給付対象
  • 介護タクシーは
    👉 移動(運送)そのものが対価

両者を混同すると、

  • 二重請求
  • 不正請求
  • 指定取消

につながるリスクがあります。

行政書士は、
「どこからが運送で、どこからが介助か」
を制度上、明確に切り分けます。


3️⃣ 正しい併用モデル①

介護タクシー × 障害福祉(移動支援)

【モデル構造】

  • 移動支援:
    → 介助(付き添い・見守り・外出支援)
  • 介護タクシー:
    → 車両による移動手段の提供(自費)

【重要ポイント】

  • 同一法人でもOK
  • 同一人物が
    「ヘルパー」と「運転者」を兼ねることも可能
    ※ただし、記録・契約・請求は完全分離

行政書士法人では、

  • 利用契約書の分離
  • 重要事項説明書の整理
  • サービス提供記録の切り分け

まで含めて設計します。


4️⃣ 正しい併用モデル②

介護タクシー × 訪問介護(身体・生活)

訪問介護との併用では、
**「送迎を業務に含めない」**設計が重要です。

実務的な考え方

  • 訪問介護:
    → 居宅内・外出先での身体介護
  • 移動そのもの:
    → 介護タクシー(自費)

これを曖昧にすると、
👉 監査で必ず突っ込まれます。

行政書士は、
運営規程・業務範囲の書き方でリスクを回避します。


5️⃣ 自費サービスとの組み合わせが事業を安定させる

介護タクシーの強みは、
自費サービスと非常に相性が良いことです。

組み合わせ例

  • 病院付き添い(長時間)
  • 買い物同行
  • 冠婚葬祭対応
  • 旅行・墓参り支援

これらは、
👉 福祉制度ではカバーしきれない
👉 しかしニーズが非常に高い
分野です。

行政書士法人は、

  • 自費サービス規程
  • 料金表
  • トラブル防止条項

を整備し、
**「合法かつ説明可能な自費モデル」**を作ります。


6️⃣ 複合型モデルが強い理由

介護タクシー単体
→ 稼働が不安定

複合型モデル
→ 安定性・継続性が高い

理由は明確です

  • 利用者が固定化される
  • ケアマネ・相談支援専門員と連携できる
  • 収益源が分散される

これは、
「制度を横断的に理解できる行政書士が関与するからこそ可能」
な設計です。


7️⃣ 行政書士法人が「設計者」である理由

介護タクシー×福祉事業は、

  • 道路運送法
  • 障害者総合支援法
  • 介護保険法
  • 各自治体運用

が重なり合う、非常に複雑な領域です。

行政書士法人は、

  • 許可・指定
  • 契約・規程
  • 記録・請求

を一体として設計できます。

単なる「代行」ではなく、
👉 事業モデルそのものを組み立てる専門職
それが行政書士です。


シリーズ総まとめ

介護タクシー許認可シリーズ 全5回

1️⃣ 介護タクシーとは何か(制度の全体像)
2️⃣ 人・車・場所の要件
3️⃣ 許可申請の流れと書類
4️⃣ 許可後の届出・運行管理・運賃
5️⃣ 複合型福祉モビリティ事業の設計(今回)


結びに:

「走れる」より「続けられる」事業へ

介護タクシーは、
社会的意義の高い事業です。

しかし同時に、
制度理解が浅いまま始めると危険な事業でもあります。

行政書士法人檀上事務所では、

許可を取る

走らせる

続けられる形にする

この全工程を支援しています。


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