【コラム】介護タクシーにおける事業計画について
行政書士法人檀上事務所|福山市の介護タクシー開業支援
介護タクシー事業は、少子高齢化が進む中で地域社会に求められる公共的な役割を担うビジネスです。しかしながら、福祉性が高い一方で、しっかりとした事業計画がなければ、赤字経営に陥る可能性もあるのが現実です。今回は、介護タクシーを開業するにあたって欠かせない「事業計画」のポイントについてご紹介します。
1. 介護タクシー事業の特性とは?
介護タクシーは、要介護高齢者や障がい者の移動支援を行うサービスであり、通常のタクシーとは異なり、利用者の属性や運行形態が大きく異なります。
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利用は「予約制」が基本
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長距離よりも「短距離・高頻度」の送迎
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医療機関や福祉施設への定期送迎が主
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一般旅客との競争ではなく「介護サービスと連携」
つまり、地域との連携・信頼の構築が鍵となり、一時的な需要ではなく、安定した利用契約の獲得が成功の要となります。
2. 売上計画の考え方
▸ 客単価の構成
介護タクシーでは、売上の内訳として以下のような構成となります:
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運賃(迎車・距離制運賃):例)2,000〜3,000円
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介助料:例)500〜2,000円
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機材利用料(ストレッチャー等):例)1,000〜3,000円
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待機・院内介助:例)1,000〜/30分
仮に1件平均4,500円で、1日4件対応すれば、日商18,000円、月商360,000円が目安になります。
3. 経費計画の視点
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車両維持費(リース料、保険、燃料、整備費)
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事務所・車庫の家賃
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通信費、広告費
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資格取得費用(初任者研修、二種免許等)
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雇用人件費(ドライバー・補助者)
初年度は開業費を含め、運転資金を3〜6ヶ月分確保することが現実的です。
4. 初期投資の目安
項目 | 費用目安(税抜) |
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車両購入・改造費 | 150〜300万円(中古含む) |
許可申請費・法人設立 | 約10〜30万円 |
研修・資格取得費 | 約10万円 |
広告・備品等 | 約10万円 |
初期運転資金(3ヶ月分) | 約90万円〜 |
5. 融資や助成金の活用
介護タクシーは社会性が高いため、日本政策金融公庫(福山支店)やしまなみ信用金庫等の創業融資が活用されることが多くあります。また、福祉車両の導入に関する福祉車両補助金や、雇用助成などと組み合わせることで、資金調達の幅が広がります。
6. 事業計画書の重要性
許認可の申請、融資の審査、協力医療機関との連携――どの場面でも必要になるのが**「説得力のある事業計画書」**です。以下のような内容が必要です:
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開業の背景・理念
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事業内容と提供エリア
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対象顧客と想定利用者数
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売上・利益見込み
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必要経費と資金調達方法
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リスク分析と対応策
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今後の成長計画(訪問介護等の展開も可)
終わりに
介護タクシーは、福山市のような医療・福祉ニーズが高い中核都市において、地域住民の生活を支える重要なインフラの一つです。
しかし、収支構造は甘くなく、準備不足は致命的になります。
行政書士法人檀上事務所では、許認可取得から資金計画・事業計画書の作成支援まで、介護タクシーの開業に必要な手続き全般を一貫してサポートしています。
介護タクシーの開業にご興味のある方は、お気軽にご相談ください。
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