相続手続き豆知識: 「相続放棄の期限に注意！」

相続放棄は、相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申立てを行う必要があります。この期間を「熟慮期間」と呼び、期限を過ぎてしまうと自動的に相続を承認したとみなされ、財産だけでなく、借金などの負債も引き継ぐことになります。万が一、相続すべき財産が負債を上回る場合や、相続したくない場合は、早めに相続放棄の手続きを進めることが重要です。

この知識を念頭に置いて、相続手続きの判断を慎重に行いましょう。

相続手続き豆知識: 「遺産分割協議書は全員の署名・押印が必須」

遺産分割協議書は、相続人全員が遺産の分配方法について合意した内容を記した書類です。この協議書を作成する際には、相続人全員の署名と実印による押印が必要です。特に注意すべき点は、1人でも署名・押印を拒否した場合、その協議書は無効となり、遺産の分割が進まないということです。

また、協議書には印鑑証明書を添付する必要があるため、手続きがスムーズに進むよう、事前に準備を整えておくことが重要です。これを理解しておくことで、相続手続きが円滑に進むよう対策を講じることができます。

相続手続き豆知識: 「預貯金口座は相続開始と同時に凍結される」

相続が発生すると、故人（被相続人）の名義の預貯金口座は、銀行によって凍結されます。この凍結は、相続人全員の同意がない状態で資金が引き出されないようにするための措置です。口座が凍結されると、相続人は預金を引き出したり、支払いに利用したりすることができなくなります。

凍結された口座の資金を相続人が引き出すためには、遺産分割協議書や相続人全員の同意書、戸籍謄本などを揃えて銀行に提出する必要があります。こうした手続きには時間がかかることがあるため、相続開始後すぐに生活費や緊急の支払いが必要な場合には、早めの対応が求められます。

相続手続き豆知識: 「相続登記は義務化されました」

2024年4月1日から、相続登記が義務化されました。これにより、土地や建物などの不動産を相続した場合、相続が発生してから3年以内に相続登記を行うことが法律で定められています。相続登記を怠ると、10万円以下の過料が科せられることがあります。

この新しい制度は、不動産の所有者不明問題を防ぐための措置です。相続登記を行う際には、遺産分割協議書や戸籍謄本などの書類が必要となりますので、早めの手続きを心掛けましょう。

相続手続き豆知識: 「死亡保険金は相続財産に含まれない」

生命保険の死亡保険金は、受取人として指定された人が直接受け取るため、基本的には相続財産には含まれません。つまり、遺産分割の対象とならず、受取人が指定された金額をそのまま受け取ることができます。

ただし、相続税の課税対象にはなるため、受取人が高額な保険金を受け取った場合には、相続税の申告が必要です。死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があるため、これを超える金額に対して課税されます。この点を理解しておくことで、相続手続きや相続税の申告を適切に進めることができます。

相続手続き豆知識: 「遺言書がある場合でも家庭裁判所の検認が必要」

遺言書がある場合、相続手続きはスムーズに進むと思われがちですが、実際には家庭裁判所で「検認」という手続きが必要です。検認とは、遺言書の内容を確認し、偽造や改ざんを防ぐための手続きです。これを行わないと、遺言書が法的に効力を持たず、相続手続きが進められない場合があります。

ただし、公正証書遺言の場合は検認手続きが不要です。遺言書の種類や内容によって手続きが異なるため、相続が発生した際には速やかに専門家に相談することをお勧めします。

相続手続き豆知識: 「相続放棄は部分的にはできない」

相続放棄を行う際には、財産だけでなく借金や負債も含めたすべての相続を放棄することになります。つまり、「不動産は相続したいが、借金は放棄したい」といった部分的な放棄はできません。相続放棄をすると、初めから相続人でなかったとみなされるため、他の相続人に負担が移ることもあります。

相続放棄を検討する際には、慎重に考慮し、専門家に相談することが重要です。相続財産や負債の全体像を把握した上で、最適な対応策を決定することが求められます。

お問い合わせフォーム