「来年度に向けた介護ICT補助金の戦略的活用」—DXと人材定着を両立する投資計画|福山市の行政書士法人檀上事務所

コラム

「来年度に向けた介護ICT補助金の戦略的活用」—DXと人材定着を両立する投資計画


1. はじめに:補助金は単なる資金援助ではない

介護事業者にとって補助金は「お得に機器を導入できる資金」だけではありません。
むしろ 補助金=国の政策意図を示すシグナル として捉えるべきです。

厚労省は「介護DX」「人材定着」「科学的介護(LIFE活用)」を強調しており、補助金の重点も毎年この方向に寄せられています。
したがって、補助金を活用した投資は 将来の義務化・標準化を先取りする行為 に等しいのです。


2. 2025年度の実施状況と来年度への予測

2025年度(令和7年度)は、2024年度補正予算の残額を優先活用しており、多くの都道府県でICT導入・見守り機器・パッケージ導入が支援されています。

来年度(令和8年度)も継続実施はほぼ確実と見込まれますが、重点は次のようにシフトする可能性があります:

  1. ソフトウェア導入の更なる重点化
    • LIFE連携・ケアプランデータ連携システム対応ソフトは、実質的に「必須」化する流れ。
    • これを入れていない事業所は、加算・監査で不利になる可能性が高い。
  2. 多職種連携・地域包括との情報共有
    • 単なる記録ソフトではなく、医療・介護・家族間で情報をリアルタイム共有する仕組みが補助対象になりやすい。
  3. 人材定着と連動する補助枠
    • 「魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま」のような認証制度と連動し、認証法人が優先採択される傾向が強まる。

3. 優先的に導入すべき「三本柱」

来年度も申請を見据えるなら、導入優先度は明確です。

(1) ICTソフト(記録・請求・LIFE連携)

  • 最優先。
  • 書類作成・請求業務の効率化に加え、LIFE提出や加算算定に不可欠。
  • 職員が日常的に使うため、導入後の定着支援(業務改善枠の活用)も合わせて計画を。

(2) ケアプラン連携・情報共有システム

  • 国がケアプランデータ連携の普及を推進しているため、「後から必ず必要になる」システム
  • 来年度は優先度がさらに高まり、補助率が維持される可能性が大きい。

(3) 見守りセンサー+ナースコール連携

  • 夜勤職員不足対策として評価が高い。
  • 災害時のBCP、配置基準緩和の議論とも直結し、引き続き重要枠となる。

4. 補助金を「年度をまたいで」活用する戦略

補助金には「同じ区分での重複導入制限」があるため、一度にすべて入れるよりも、年度を分けて計画的に導入するのが賢明です。

【戦略例】

  • 2025年度(現行):見守りセンサー+ナースコール連携機器を導入
  • 2026年度(来年度):記録・請求ソフト、ケアプラン連携システムを導入
  • 2027年度以降:業務改善支援(研修・外部コンサル)で「使いこなし」を定着

👉 ポイントは「今年はハード、来年はソフト+業務改善」と棲み分けすること。


5. 補助金+加算+認証制度の三位一体戦略

補助金単体で考えるのは不十分です。
「加算」と「認証制度」との組み合わせで効果を最大化できます。

  • 処遇改善加算・特定処遇改善加算:ICT導入で業務効率が上がれば、加算要件を満たしやすくなる。
  • 魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま:補助金の優先採択要件になる場合がある。
  • BCP(業務継続計画)義務化:ICT・センサーの導入は災害時対応の評価点としても有効。

👉 「補助金で導入 → 加算で回収 → 認証でアピール」
この流れが、最も強力な経営戦略になります。


6. 専門家活用のススメ

補助金は申請様式が煩雑で、自治体ごとにルールが異なります。

  • 事業計画書の整合性
  • 職場改善の具体的アクションプラン
  • 財務データとの突合

これらを現場だけで完璧に整えるのは大変です。
行政書士・社労士などの専門家をうまく活用することで、採択率を高めるだけでなく、その後の運用定着まで見据えた支援が受けられます。


7. まとめ:来年度に備えて今から動く

来年度の介護ICT補助金を最大限に活かすためには、

  • ICTソフト/ケアプラン連携/見守りセンサーの3本柱を軸に
  • 年度をまたぐ投資戦略を描き
  • 補助金+加算+認証制度を三位一体で活用する

ことが不可欠です。

補助金は「来年度に入ってから考える」では遅すぎます。
むしろ 今年度中に導入計画を立て、来年度の申請に備えて体制を整えることこそが、成功への最短ルートです。


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