【コラム】障害福祉×M&Aの親和性と社会的課題の解決という視点
日本社会は今、少子高齢化・人口減少という構造的課題に直面しています。そのなかで「障害福祉事業」は、地域における最後のセーフティネットとしての役割を担いつつ、持続可能な経営が求められる領域です。
こうした中、「M&A(事業の売却・譲受)」という手法が、福祉分野においても急速に注目を集めています。単なる事業の売買に留まらず、社会的課題を解決する一手としてのM&Aの価値を、いま改めて見直す時期にきています。
◆ なぜ障害福祉事業とM&Aは親和性が高いのか?
① 後継者不足というリアル
多くの福祉事業者が地域密着・家族経営型の中小法人です。高齢の代表者が現場を支えているケースも多く、「後継者不在」によって、黒字でも廃業を検討せざるを得ない法人が増えています。
② 利用者・従業員の生活を守る手段
廃業すれば、そこに通う利用者の生活も、働くスタッフの雇用も失われます。M&Aによる承継は、それらを守る唯一の選択肢になることもあります。
③ 制度に守られた安定性
障害福祉サービスは、報酬単価が国の制度により定められており、売上の見通しが立てやすい事業です。これは、買収する側にとっても大きな安心材料になります。
◆ M&Aは「撤退」ではなく「進化」の一手
事業を譲渡する側にとって、M&Aは「終わり」ではありません。たとえば:
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引退後もアドバイザーとして関わり、地域貢献を継続
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新たな経営者の下で、事業がさらに拡張・改善
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地域のリーダー的な役割から、次世代への橋渡し
譲り受ける側も、既存の事業基盤を活用しながら、自社の理念・仕組みを活かした経営に発展させることが可能です。
◆ 社会的課題解決につながる「承継型M&A」
M&Aは単なる収益事業ではなく、**「地域資源の継承」であり、「セーフティネットの維持」**という社会的意義を持ちます。
特に以下のような場面で、M&Aは極めて有効です:
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地域唯一のグループホームや生活介護が廃業の危機
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保育所・福祉作業所を運営するNPOが財政難
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障害者雇用を支えるA型事業所が赤字経営から脱却できない
→ これらを引き継ぐこと自体が社会的インパクト投資
◆ 当法人の取り組み:福祉事業M&A支援の強み
行政書士法人檀上事務所では、次のようなM&A支援サービスを提供しています:
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法人評価・デューデリジェンス支援(実地・帳簿調査)
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契約書・譲渡契約・議事録等の法的書類作成
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指定更新・事業引継に伴う行政手続きのサポート
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福祉事業特有のリスク(人材・加算・指導)への精査対応
「買いたい」「売りたい」ではなく、**“引き継いで活かす”**ことを主眼とした支援を行っています。
◆ 最後に:M&Aという選択が地域を救う
障害福祉のM&Aは、「儲かるからやる」のではなく、**「残すために、つなぐ」**という選択です。
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利用者の生活を守るため
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働く人の雇用を守るため
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地域の支援インフラを維持するため
福祉業界の次世代を託すこの仕組みは、持続可能な地域社会を創る起点となります。
行政書士法人檀上事務所
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