サウナ民泊という新しい宿泊スタイル ― テントサウナで旅を豊かに、行政手続きから運営ノウハウまで ―|福山市の行政書士法人檀上事務所

🏕️ サウナ民泊という新しい宿泊スタイル

テントサウナで旅を豊かに、行政手続きから運営ノウハウまで

1. はじめに:なぜ今「サウナ民泊」なのか

ここ数年、全国的に“ととのう旅”が注目されています。
キャンプ場や古民家、瀬戸内沿いの空き家を活用して、「泊まれるサウナ」=サウナ民泊を運営するケースが急増中です。

コロナ禍を経て個人旅行・ワーケーションが定着し、
「密にならず、自然と向き合える滞在」を求めるニーズが拡大。
そこに“テントサウナ”という簡易設備が加わることで、
建物改修のハードルを抑えつつ、高付加価値の宿泊体験が可能になります。


2. サウナ民泊とは?

「サウナ民泊」とは、旅館業法に基づく簡易宿所営業許可を取得した宿泊施設に、
テントサウナや電気サウナを併設した民泊スタイルを指します。

宿泊者専用でサウナを提供すれば旅館業法のみで運営可能ですが、
閑散期などに日帰りデイユースとして一般開放する場合は、
別途「公衆浴場法」に基づく許可が必要です。

つまり、

宿泊者限定 → 旅館業法
一般利用(デイユース) → 公衆浴場法

この線引きを理解することが、合法的にサウナ民泊を運営する第一歩です。


3. 建物構造と法令上のポイント

サウナ民泊を運営する際、特に注意すべきは次の3法令です。

法令 対応項目 所管機関
旅館業法 簡易宿所営業許可 保健所(生活衛生課)
消防法 消防同意・防火対象物使用開始届 消防署
建築基準法 用途変更・屋外避難階段・竪穴区画 建築指導課

🔹建築基準法

3階建ての古い木造住宅を民泊化する場合、外階段(屋外避難階段)の設置が原則必須です。
これは火災時に煙が階段を通じて上下階に回らないようにするための措置で、
「竪穴区画」を避ける最も合理的な方法でもあります。

🔹消防法

サウナは火気設備(電熱・薪ストーブ)扱いとなり、
感知器・誘導灯・非常照明などの設置が義務化されます。
小規模でも、消防設備士による設計・届出・検査立会が不可欠です。

🔹旅館業法

客室は原則「延床33㎡以上」が基準ですが、
貸切型・1組限定の運営では柔軟な運用が認められる自治体も多くあります。
浴室は必須ではなく、シャワーと洗面・トイレが清潔であれば許可可能です。


4. 設備計画の基本構成

🚻 トイレ

排水勾配を考慮し、1階玄関横に集約するのが理想。
清掃性・来客動線・衛生管理の面でも合理的です。

🚿 シャワー

サウナ利用後の導線を意識し、トイレ隣接の1階に設置。
0.75坪程度のユニットシャワーで十分対応可能です。

🛁 浴槽(水風呂)

屋外デッキや庭先に可搬式FRP浴槽を設置する方法が主流。
屋内に固定浴槽を設けるよりも施工・排水が簡便でコストも抑えられます。

♨️ サウナ

木造3階建ての場合は、屋上デッキまたは敷地脇にテントサウナを設けるのが最も安全。
薪式・電気式いずれも可能ですが、防火距離(可燃物から1m以上)と換気経路を確保することが重要です。


5. 許可取得までの流れ

工程 主な作業 所要期間
① 現況調査・建築士打合せ 構造・防火・配管確認 約1ヶ月
② 設計・用途変更申請 建築確認申請(必要時) 約2ヶ月
③ リフォーム・設備工事 外階段・内装・水回り・サウナ施工 約2〜3ヶ月
④ 消防・保健所検査 消防同意・現地検査・営業許可 約1ヶ月
⑤ 開業 Airbnb・Booking登録、撮影・告知 開業まで約6〜7ヶ月

6. 収益モデルと実例イメージ

💴 モデル例(1組貸切型・福山市中心部想定)

項目 内容
客室数 1室(最大4名)
サウナ利用 宿泊者専用+閑散期デイユース
料金 宿泊1泊 18,000円/デイユース3時間 4,000円
月稼働率 宿泊40%+デイユース20%
月売上 約25〜30万円前後
年間収益 約300〜360万円(人件費除く)

サウナのある民泊は、滞在単価が通常の1.5〜2倍になりやすく、
インバウンドやカップル・小グループ層の予約率が高い傾向にあります。


7. 行政手続きとサポート体制

行政書士法人檀上事務所では、
建築士・消防設備士・カメラマン・管理会社との連携により、
「サウナ民泊」プロジェクトを設計〜許可〜運営までワンストップで支援しています。

  • 🏗 建築確認・用途変更・適法証明書取得
  • 🔥 消防設備設計・同意・立会
  • 🧾 旅館業(簡易宿所)許可申請代行
  • ♨️ 公衆浴場法許可(デイユース併用)
  • 🖋 Airbnb・Booking.com掲載代行・撮影
  • 🏢 管理運営会社(民泊管理バンク)・施工パートナー(国本建築堂)紹介

「古い3階建てでもサウナ付き宿にできるの?」
「屋外階段やテントサウナは法的に大丈夫?」
そんな疑問からでも、まずは現地調査から承ります。


8. まとめ:古民家・狭小住宅こそ「サウナ民泊」に最適

  • 小規模・低コストで改修可能
  • デザインと体験価値で高単価が狙える
  • 法令を正しく理解すれば安全・合法に運営可能

テントサウナは、建物の価値を再生させる“魔法の設備”です。
これからのまちづくり・空き家再生の中心に、
「泊まれるサウナ」=サウナ民泊という新しい形を取り入れてみませんか。


📩 お問い合わせ先
行政書士法人檀上事務所
Tel:084-934-2005

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