自動車登録における使用者課税と古物商|福山市、尾道市の行政書士法人檀上事務所

使用者課税と古物商に関連する内容について詳しく説明します。特に、自動車の取引や所有において、使用者に対して課せられる税金の取り扱いと、古物商が行う自動車取引における特別な税制について解説します。


1. 使用者課税とは?

使用者課税とは、自動車の実際の使用者に対して課される税金のことです。通常、自動車に関連する税金は「所有者」に対して課税されますが、所有者と使用者が異なる場合、特定の税金や費用は使用者が負担することがあります。代表的な税金には、自動車税(種別割)や自動車重量税があります。

1.1 自動車税(種別割)

  • 自動車税は、毎年4月1日時点での所有者に課税されます。ただし、リース契約やローン購入の場合、所有者がディーラーや信販会社である場合でも、使用者(車の実際の利用者)が税負担を行うことが一般的です。
  • 使用者課税に基づき、使用者が自動車税を支払う義務を負うことがあります。

1.2 自動車重量税

  • 車検時に支払う自動車重量税も、車両を実際に使用する人が負担します。所有者が古物商である場合でも、車両の使用者が負担することが一般的です。

2. 古物商による自動車取引と使用者課税

古物商は、中古品の売買を業とする者であり、中古車の販売や輸出もその一環として行っています。古物商が自動車を仕入れて販売する場合、所有者は古物商になりますが、最終的に使用者課税が適用されるため、実際に車を使用する人(新しい所有者やユーザー)が税金を負担します。

2.1 古物商が所有者となる場合

  • 古物商が自動車を仕入れると、一時的に古物商が所有者となります。この間、古物商は車両を保管し、次の購入者(新しい使用者)に売却します。
  • 古物商が所有者であっても、自動車税は通常発生しません。なぜなら、古物商が取得した中古車は一時抹消登録され、再販までの間、税金が発生しないからです。
  • 古物商が所有している期間、車両は使用されないため、使用者課税は発生しません。

2.2 古物商から新しい使用者に移転

  • 自動車が新しい購入者に販売された場合、その車両の所有権が新しい使用者に移転します。このとき、使用者が課税対象となり、自動車税や自動車重量税が新たに発生します。
  • 新しい使用者は、名義変更を行い、その後の税金や保険の負担を引き継ぎます。

2.3 一時抹消登録と課税

  • 古物商が中古車を仕入れた際に「一時抹消登録」を行うと、車両は一時的に公道で使用できない状態になります。この状態では自動車税は課税されません。一時抹消登録中の車両は、再登録されるまで古物商の保管にとどまります。
  • 再販された後、使用者課税が適用され、新しい所有者が税金を負担することになります。

3. 古物商が関与する輸出取引と非課税

古物商が中古車を輸出する場合、その取引において消費税が非課税となる制度があります。これは、車両が日本国内で消費されるわけではなく、国外で消費されるためです。

3.1 輸出取引と非課税の適用

  • 古物商が中古車を海外に輸出する際、その取引において消費税が課税されず、非課税扱いとなります。
  • このため、古物商が仕入れた車両を日本国内で再販売する場合と異なり、輸出目的で取引が行われると、輸出免税が適用されます。

3.2 一時抹消登録と輸出手続き

  • 車両が輸出される場合、輸出抹消仮登録(一時抹消登録に近似)又は輸出の届出が必要です。これにより、車両は日本国内で使用されなくなり、国内での課税が停止されます。
  • 輸出手続きが完了するまでの間、自動車税や自動車重量税が課されることはなく、輸出免税が適用されます。

4. 古物商の課税における特例

古物商が自動車を取引する際、いくつかの特例や優遇措置があります。これにより、古物商は効率的に中古車を再販または輸出できるようになっています。

4.1 消費税の免税

  • 古物商は、中古車を国内で仕入れ、国外に輸出する場合、消費税が非課税となります。この措置は、輸出免税制度の一環として提供されています。

4.2 自動車税の非課税

  • 古物商が所有する車両は、「一時抹消登録」されている間、自動車税が課されません。車両が再販された時点で、新しい使用者が自動車税を負担します。

4.3 軽減税率の適用

  • 古物商が扱う自動車取引では、再販時に一部税率が軽減される場合もあります。特に、古物商が車両を海外に輸出する場合、消費税が免除されることがあります。

5. まとめ

使用者課税古物商の自動車取引は、所有者と使用者が異なる場合に適用される課税の仕組みです。古物商は、一時的に車両を所有する際に「一時抹消登録」を行い、再販されるまでの間は税金が発生しません。再販時に、車両の新しい所有者(使用者)が税金を負担することになります。

  • 使用者課税:自動車の使用者に対して課税される税金。名義変更後、新しい所有者(使用者)が自動車税や重量税を負担。
  • 古物商の非課税取引:古物商が中古車を輸出する場合、消費税が非課税となり、また一時抹消登録中の車両に対しては自動車税も発生しない。

もしさらに詳しい手続きや具体的なケースについて質問があれば、お気軽にお問い合わせください。

関連記事

  1. 古物の品目

  2. 古物取引の法律について知っておきたいこと