第2回 事業承継=後継ぎ問題ではない
― 第三者承継・M&A型起業という現実的選択 ―
「跡継ぎがいない会社」は、あなたの起業チャンスかもしれません
前回の記事では、
起業=ゼロから始めるものではない
という視点から、事業承継型起業の全体像をお伝えしました。
今回は一歩踏み込み、
親族承継ではない“第三者承継”
M&A型の起業について解説します。
結論から言えば、
事業承継は「経営者の子ども」だけの話ではありません。
むしろ今、第三者に引き継がれる事業の方が多数派になりつつあります。
第三者承継とは何か?
第三者承継とは、
親族以外の人が、会社や事業を引き継ぐことを指します。
たとえば、
- 全くの外部の個人が引き継ぐ
- 同業・近隣事業者が引き継ぐ
- 起業希望者が事業を丸ごと引き継ぐ
といったケースです。
特に最近増えているのが、
「起業したい個人 × 後継者のいない中小企業」
という組み合わせです。
M&A型起業は「お金持ちの話」ではありません
「M&A」と聞くと、
- 大企業同士
- 数億円規模
- 投資ファンド
といったイメージを持たれるかもしれません。
しかし、地方の中小企業では
- 数百万円
- 場合によっては実質無償
- 債務整理や条件付き譲渡
といった形での承継も、現実的に存在します。
つまり、
M&A=富裕層だけのものではないのです。
第三者承継で起業するメリット
第三者承継型起業には、次のような利点があります。
① すでに「売上」と「顧客」がある
開業初日から、
- 取引先
- リピーター
- 地域での信用
が存在するケースも多く、
ゼロスタートの不安が大幅に軽減されます。
② 許認可・設備が整っている場合がある
業種によっては、
- 許認可
- 設備
- 立地
がすでに整っていることもあります。
※ただし、名義変更や再取得が必要なケースも多く要注意です。
③ 経営者から直接ノウハウを引き継げる
一定期間、
- 前経営者が引き続き関与
- 現場引き継ぎ期間を設ける
といった形が取られることもあり、
実践的な経営ノウハウを直接学べる点も大きな魅力です。
一方で、見落とされがちな「落とし穴」
第三者承継・M&A型起業には、
必ず注意すべきポイントがあります。
❌ 許認可は「自動で引き継げない」
多くの許認可は、
- 人
- 法人
- 代表者
に紐づいています。
そのため、
「事業を買った=許可も使える」
とは限りません。
業種によっては
新規申請・再取得・事前協議が必要です。
❌ 見えない義務・リスクを引き継ぐ可能性
- 未処理の行政対応
- 過去の指導履歴
- 契約関係の不備
など、表に出にくいリスクが潜んでいることもあります。
❌ 口約束で進めてしまう危険
「昔からの付き合いだから」
「信頼しているから」
という理由で、
- 契約書を作らない
- 条件を曖昧にする
これは、後々大きなトラブルの原因になります。
ここで行政書士が果たす役割
第三者承継・M&A型起業は、
- 法律
- 行政手続き
- 実務
が複雑に絡み合う分野です。
行政書士は、
- 事業譲渡契約書・合意書の作成
- 許認可の承継可否チェック
- 行政への事前相談・調整
- 起業後を見据えた手続き設計
を通じて、
**「引き継げるかどうか」ではなく
「安全に始められるかどうか」**を支援します。
行政書士法人檀上事務所のスタンス
行政書士法人檀上事務所では、
- 事業承継
- 起業
- 許認可
- 契約・届出
を一連の流れとして捉えています。
「この事業、本当に引き継げますか?」
「起業後に止まらないですか?」
そうした疑問に、
手続きと実務の両面からお答えします。
次回予告(第3回)
次回は、
「事業承継で失敗する人・成功する人の決定的な違い」
をテーマに、
- よくある失敗パターン
- 行政・許認可トラブル
- 契約で防げたはずの問題
を具体例ベースで解説します。
🔎 事業承継型起業を検討中の方へ
「まだ具体的ではない」「情報収集中」という段階でも構いません。
早めの整理が、失敗しない起業につながります。
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