特定創業支援事業とは
創業を目指す方にとって、ビジネスを成功させるためにはしっかりとした知識と準備が必要です。特定創業支援事業は、このような創業希望者に対し、「経営」「財務」「人材育成」「販路開拓」など、創業に必要な知識をすべて身につけるための継続的なサポートを提供します。当事務所では、これら4つの分野における専門家による個別相談を特定創業支援事業として実施しています。
特定創業支援事業の支援内容
特定創業支援事業では、創業に必要な知識とスキルを体系的に学ぶことができるよう、以下の4つの分野で支援を行います。
- 経営:経営全般に関する知識を身につけることができます。具体的には、経営理念や経営戦略の策定、事業計画の作成方法など、経営者として必要なスキルを習得します。特に事業計画は、ビジネスの方向性を定めるだけでなく、資金調達やパートナーシップの構築にも欠かせない重要な要素です。
- 財務:企業の財務状況を正確に把握し、健全な経営を行うための知識を学びます。具体的には、財務諸表の見方や資金繰り、資金調達に関するノウハウ、経理や税務の基本など、企業経営におけるお金の流れを理解するための知識を提供します。これにより、経営者は企業の現状を的確に把握し、将来的な経営判断を行うことができるようになります。
- 人材育成:ビジネスの成長には適切な人材の確保と育成が不可欠です。この分野では、従業員の雇用に関する知識、人材確保のための戦略、人事・労務管理の基本、人材育成の手法など、組織づくりに必要な知識を提供します。特に中小企業にとって、少数精鋭の人材を最大限に活用することは重要であり、効果的な人材育成が企業の競争力を高めます。
- 販路開拓:商品やサービスを市場に浸透させ、ビジネスを拡大するための戦略を学びます。商品開発からマーケティング、店舗演出、販売促進、そして新たな販路の開拓まで、ビジネスの拡大に必要なすべてのステップを網羅します。これにより、創業者は自社の商品やサービスを効果的に市場に届け、顧客を増やすためのスキルを身につけることができます。
特定創業支援事業の優遇措置
特定創業支援事業を通じて、合計4回以上、かつ1か月以上1年以内の期間、継続的に支援を受けた創業者には、特定創業支援事業に関する証明書が発行されます。この証明書を取得することで、以下のような様々な優遇措置を受けることが可能です。
1. 会社設立時の登録免許税の軽減
創業前または創業後5年未満の個人が、市内で会社を設立する際の登録免許税が軽減されます。通常、会社設立時には一定額の登録免許税が必要ですが、この軽減措置により、初期費用を抑えて会社を立ち上げることができます。
創業前または創業後5年未満の個人が、市内で会社を設立する際の登録免許税の軽減を受けることが可能です。
・会社とは、株式会社または合同会社を指します。
・株式会社または合同会社は、資本金の0.7%の登録免許税が0.35%に軽減(株式会社の最低税額15万円の場合は7.5万円、合同会社の最低税額6万円の場合は3万円の軽減)されます。
※会社法上の発起人かつ会社の代表者となり会社を設立しようとする個人が証明を受ける必要があります。設立登記を行う際には、 証明書の原本を法務局に提出する必要があります。
※既に会社を設立した方が組織変更を行う場合は、登録免許税の軽減を受けることはできません。
※福山市が交付する証明書をもって、他の市区町村で会社を設立する場合には、登録免許税の軽減を受けることができません。
2. 創業関連保証の特例適用
通常、創業者が融資を受ける際には担保や第三者保証人が必要となることがあります。しかし、特定創業支援事業を受けた創業者は、無担保・第三者保証人なしで創業関連保証を利用することができます。この保証は事業開始の6か月前から適用されるため、創業準備段階から資金調達をスムーズに進めることが可能です。
3. 日本政策金融公庫「新規開業資金」の貸付利率の引き下げ
日本政策金融公庫が提供する「新規開業資金」の貸付利率が引き下げられます。これにより、低利率での資金調達が可能となり、創業時の資金負担を軽減することができます。
4. 福山市及び広島県の「創業支援資金」の特例適用
福山市及び広島県が提供する「創業支援資金」(融資)を、事業開始の6か月前から利用することができます。この特例措置により、創業者は資金調達をより柔軟に行うことができ、スムーズなビジネススタートをサポートします。
証明書発行までの流れ
特定創業支援事業の証明書を発行するまでの流れは以下の通りです。
- 相談申込:まずは機関にご相談ください。創業に関するお悩みや不安をお聞かせいただき、最適な支援内容をご提案いただけます。
- 支援プログラムの実施:機関の専門家による個別相談を受けていただきます。相談内容に応じて、経営、財務、人材育成、販路開拓の各分野での支援を行います。支援は合計4回以上、かつ1か月以上1年以内の期間で行われます。
- 証明書の申請:支援プログラムをすべて終了された方には、特定創業支援事業の証明書発行のための申請手続きをご案内いたします。
- 証明書の発行:申請内容を確認の上、特定創業支援事業の証明書を発行いたします。この証明書により、各種優遇措置の適用が可能となります。
まとめ
特定創業支援事業は、創業者にとって非常に価値のあるサポートプログラムです。経営、財務、人材育成、販路開拓の4つの分野で専門家からの継続的な支援を受けることで、創業に必要な知識とスキルを総合的に身につけることができます。また、証明書の発行により、会社設立時の登録免許税の軽減や無担保・第三者保証人なしの創業関連保証の利用など、さまざまな優遇措置を受けることが可能です。
創業をお考えの方は、ぜひ特定創業支援事業をご活用いただき、ビジネスの成功に向けての一歩を踏み出してください。当事務所では、皆様の創業を全力でサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
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